【新規事業立ち上げ】社内リーダーと外部パートナー活用で集客基盤を整え事業運営を軌道に乗せた支援事例

「新規事業を始めたい。でも、どう進めればいいかわからない」
今回ご相談いただいたのは、ITサービスを主力として展開する企業です。
既存事業を運営する一方、AIの台頭によって業界構造が大きく変化していくことが予想されていました。
中長期的な成長を考えると、既存事業だけに依存するのではなく、既存事業とのシナジーも期待できる新しい事業を立ち上げる必要がある。
しかし、社内には新規事業を立ち上げた経験がありませんでした。
「何から始めればいいのかわからない」
「できれば新規事業に社員にも関わってもらいたい」
こうした課題を抱えていました。
そこで今回の支援では、単に新規事業を立ち上げるだけではなく、社員が事業推進リーダーとして事業を自立して運営できる状態をつくることを目指しました。
【分析】ボトルネックは「サービス設計」ではなく「集客」
まず、今回立ち上げようとしている事業について業界調査を行いました。
詳細は伏せますが、立ち上げようとしているビジネスモデルは、競合企業は多いものの安定した需要が存在する事業。需要に対して一社が独占するような業界ではなく、多数の需要と多数の供給で市場が成り立っているビジネスでした。
つまり、「市場がない」「サービスを提供できない」ということが問題ではなく、課題は明確に集客導線づくりという状況でした。
【戦略】どうやって集客の仕組みを作るのか?
成功している企業のやり方を、まずは愚直にトレースする
そんな中まず我々として手を付けたのは、成功企業のインタビュー調査です。
先行企業の代表にアプローチし、業界構造や成功パターンについて事例や実態の詳細をヒアリングしました。
多数の成功企業が存在している業界特徴を活かした形になります。
結果としてわかったのが、Webマーケティングなどの「空中戦」よりも、地道な営業活動を積み重ねて顧客接点をつくる方が圧倒的に重要ということでした。
建築・IT・コンサルなどの労働集約型無形商材に共通している特徴なのですが、カタログスペックで比較することが難しく、結果として遠隔媒体での比較選定ではなく、地理・関係性上の近隣企業、つまり「距離」で選ばれることが多いという定石に沿った納得のできる結果でした。
今回の事例企業に関してサービス提供力は十二分ということも重要なポイントです。
ここから、今回の事業における最大のボトルネックは、サービスそのものではなく、顧客接点の数を確保するための営業体制だと判断しました。
新規事業というと、独自性のあるマーケティング施策や新しい営業手法を考えたくなります。
しかし今回については、すでに同じ市場で成功している企業が存在。まずは成功事例を忠実にトレースする方針を取りました。
営業パートナーの活用と内部人員を絡めた営業体制作り
調査を通して明確化した課題は、営業活動についての行動量を確保しPDCAを回せる体制です。
その一方で、代表が既存事業と並行して大量の営業活動を行うことは現実的ではありません。
そこで、外部の力を活用しながら営業接点をつくりつつ、社内にも新規事業のリーダーを置く体制を構築しました。
外部との接点を一から構築するにはコストと時間がかかります。
まず立ち上げの際に関してはすでに多数の取引先との接点を持っているパートナーと協業し顧客開拓のハードルを下げる形をとりました。
今回の商材はある程度案件ごとの単価が期待できるため、営業機能を外部に頼っても利益の創出が十分可能なことを踏まえての判断です。
ポイントは、営業活動について外部に丸投げしなかったことです。
顧客接点はパートナーに作ってもらい、その進捗はリーダーが管理、提案活動はパートナーとリーダーが共同で実施。
このような役割分担を作ることにより、外部のリソースを活用しながら、社内にも新規事業の経験とノウハウを蓄積していくことを狙いました。
社内のリーダーにも営業経験を積んでもらうことで、より事業に対するコミット、数字感覚、ビジネス感覚を身に着けてもらうことも狙いです。
【実行支援】やり切るための仕組みづくり
数字管理と会議体の設計
社内にリーダーを置いたとしても、当然ながら最初から新規事業をうまく進められるわけではありません。
そこで、リーダーをフォローするための仕組みを整備しました。
まず行ったのが、事業の状況を数字で把握できる状態をつくることです
- 売上
- 損益
- 商談
- 引き合い
を可視化し、事業が現在どの位置にあるのかを把握できるようにしました。
さらに、定期的な事業推進会議を設定。
数値の進捗を確認しながら、
「何がうまくいっているのか」「どこに問題があるのか」「次に何をするのか」
を議論し、施策を改善していきます。
社長にも会議に参加していただき、その場で方針決定まで行えるようにすることで、意思決定のスピードも確保しました。
また、営業・運営上の課題の解決については弊社からも直接支援を行い、ボトルネックの解消を支援しました。
AIを活用してシステムを構築、事業管理の負荷を減らす
新規事業では、営業だけでなく、売上や損益、商談状況などの管理にも手間がかかります。
そこで、損益・進捗を管理するシステムをAIを活用し設計・実装。
事業の状況を把握しやすくすると同時に、管理業務そのものの負荷を抑えました。
新規事業の担当者が「管理すること」に時間を使いすぎず、顧客獲得や事業開発に集中できる環境を整えました。
外部ネットワークも活用して事業を前に進める
新規事業を進めるうえでは、自社だけですべてを完結させる必要もありません。
第一顧客になりそうな会社について、当社のネットワークを活用してご紹介。無事成約し、最初期の収益基盤とすることもできました。
新規事業を進める上で障壁となる「実績不足」について間接的な信用を活かして乗り越えることができました。
【結果】案件の多数獲得、事業単体での黒字化へ
こうした取り組みの結果、新規事業では実際に案件を多数獲得。
さらに、事業単体での黒字化も実現しました。
そして今回、売上以上に重要だった成果があります。
それが、社員が能動的に動き、事業について提案できるようになったことです。
新規事業の立ち上げを外部に任せきるのではなく、社内にリーダーを置き、数字を見ながらPDCAを回す。
その経験を通じて、社員自身が事業を動かす経験を積むことができました。
【副次効果】基幹事業へのフィードバック
今回の新規事業開発は、新しい売上をつくるだけのプロジェクトではありませんでした。
新規事業を進める中で得られた市場の知見や顧客ニーズ、業界トレンドを、既存の基幹事業にもフィードバック。
さらに、新規事業で獲得した顧客に対する本業サービスのクロスセルや、AI時代に合わせた既存事業のあり方についても検討しました。
つまり、新規事業を「新しい事業」として切り離すのではなく、会社全体を変えていくための材料として活用する。
そこまでを今回の支援で行うことができました。
【まとめ】新規事業を自分で進められる会社へ
新規事業の立ち上げでは、アイデアや市場選定だけが注目されがちです。
しかし、実際には、
市場を調べる
→ 成功パターンを見つける
→ 行動する
→ 数字を見る
→ 改善する
というサイクルを継続できるかどうかが重要です。
今回の支援では、そのサイクルを外部の力だけで回すのではなく、社員を巻き込みながら社内に残していくことを重視しました。
その結果、
- 新規事業の案件獲得
- 事業単体での黒字化
- 社員が能動的に動き、提案できる状態
という成果につながりました。
新規事業を一つ立ち上げること。
そして、新規事業を通じて「新しいことに挑戦できる会社」へ変わること。
今回の支援では、その両方を実現することができました。
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