きぬた歯科に学ぶ「看板マーケティング」|想起を勝ち取る戦略と設計
この記事は以下のYouTube動画を要約したものです。
もしお時間ありましたらこちらもご覧ください。
「看板って、結局は“名前を知ってもらう”ためのものですよね?」
もちろんそれも正解です。
ただ、成果を出す看板にはもう一段深い狙いがあります。それは “どう認知されるか”を設計し、必要な瞬間に思い出される状態(想起)を作ることです。
この記事では、看板で強烈な存在感を持つ きぬた歯科 を題材に、看板がビジネス成果に直結する仕組みを分解して解説します。
目次
結論:きぬた歯科の看板の真髄は「認知」ではなく「想起」を取ることにある
看板の目的は大きく言えば認知獲得ですが、重要なのはどういう認知を獲得するか?です。
きぬた歯科の成果を左右するのは次の状態を作れるかどうかです。
- インプラントが必要になった瞬間に
- 真っ先に思い出される(候補に上がる)
きぬた歯科が狙っているのは、まさにこれです。
例えばインプラントが必要になる場面を想像してみてください。
多くの場合、
- まず地元の歯医者へ相談
- インプラントの必要性を説明される
- そこからインプラント施術医院の検討が始まる(地元歯医者で対応していないことも多い)
この時、多くの人はネット検索もしますが、その前に起こる重要なプロセスがあります。
それが 脳内検索です。
「インプラントを入れなければ」と思った瞬間に、
- インプラント
- きぬた歯科
が頭の中で結びつくかどうか。
この「最初に思い出される状態」が強いと、検索をしたとしても候補の上位に残り続けます。
この状態はマーケティングでは メンタル・アベイラビリティ(想起可能性) に近い概念として説明できます。
きぬた歯科の看板を3要素で分解すると「設計意図」が見える

きぬた歯科の強さは、看板の“見た目の派手さ”ではなく、要素が合理的に設計されている点です。
大きく3つに分解できます。
1)色:とにかく目立つ(走行中でも視界に刺さる)
道路看板は、じっくり読む前提ではありません。
運転中、視界の端に入ったものが “一瞬で認識されるか” が勝負です。
だからこそ、きぬた歯科の看板は
- 背景色で目立つ
- 他の景色に埋もれない
- 「あの色=きぬた歯科」という記憶資産になりやすい
という設計が効きます。
2)顔:ロゴ以上に強い識別記号になる
大企業はロゴで識別されますが、きぬた歯科は“顔”がロゴの役割を担っています。
人間は文字や抽象マークよりも、顔の識別が得意です。
結果として、
- 一瞬で認識され
- 記憶に残り
- 次に見た時も同じものとして再認識できる
という効果が生まれます。
3)テキスト:最小限で「カテゴリ×名前」を固定する
きぬた歯科の看板は情報量が少ない。
重要なのは余計なメッセージではなく 「インプラント=きぬた歯科」 を成立させることです。
さらに、距離(例:「ここから○分」)を出すことは、次の心理に効きます。
- 「意外と近い」
- 「その距離なら有名なところへ行ってもいい」
つまり、看板は“好感”を取るのではなく、意思決定の導線を作っているわけです。
ここで必要なのはカテゴリとの紐づけであり、おしゃれで気の利いたキャッチコピーは必要ありません。
なぜインプラント領域は看板が効きやすいのか
虫歯治療なら、多くの人は「徒歩数分」の歯医者に行きます。
一方、インプラントは違います。
- 高額(数十万円単位)
- 失敗した時の損失が大きい
- 専門性や実績が重視される
その結果、商圏が広がります。
- 「車で30分なら専門のところへ行く」
- 「多少遠くても有名なところへ行く」
看板は、この“商圏拡張”の心理と相性が良いのです。
きぬた歯科のもう一つの強さ:看板の「立て方」で競合を排除する
きぬた歯科が上手いのは、コピーやデザインだけではありません。
「量と配置」も戦略になっています。
きぬた歯科の年間マーケティング予算は2億円とも言われ、看板の数は東京八王子を中心に首都圏で230個建てられているとも言われています。
特定エリアに2億円単位の広告予算を投下できる歯科医院は他にありますでしょうか?
いわば“地域ドミナント”に近い考え方です。
このことにより競合として
- インプラント領域で「看板勝負」をする気が失せる
- 参入障壁(心理的障壁)が上がる
- 結果としてカテゴリ想起が独占されやすくなる
このように「喧嘩する気をなくさせる」という状況に持ち込むことで実質的に競合を排除しているのです。
実務で使えるチェックリスト:看板を作る前に確認すべき5つ
看板施策を検討する際は、次を整理するとブレが減ります。
- 誰に見せるのか(ターゲット)
- どの状況で思い出してほしいのか(利用文脈)
- その時に結びつけたいカテゴリは何か(カテゴリ×名称)
- 競合は「比較される相手」なのか「そもそも想起されていない」のか
- 情報をどこまで伝えるべきか(名称→カテゴリ→便益→優位性→根拠)
きぬた歯科はこのうち、特に 2と3(利用文脈とカテゴリ固定) を極限まで磨いている例だと言えます。
まとめ:看板は「センス」ではなく「戦略と設計」で勝てる
きぬた歯科の事例から分かるのは、看板は“おしゃれさ”ではなく、戦略と設計が重要だということです。
- ビジネス特性として顧客にどう認識されたいのか
- 何をメッセージとして伝えるべきなのか?
- メッセージを伝えるために必要なテキストはなにか?
- 目に入り、覚えてもらうためにはどうしたらよいか?
という基本的なマーケティング設計で成果が決まるということです。
もし貴社の看板・屋外広告・認知施策を「なんとなく」で進めているなら、
一度「想起の設計」から組み直すと、打ち手の優先順位が明確になります。
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